お別れ会・偲ぶ会とは|特徴や費用、開催場所や時期について

「お別れ会」「偲ぶ会」と聞くと、芸能人や政治家など著名な人が開催するもの、というイメージをお持ちの方も多いでしょう。

そんなことはありません。

今やお別れ会・偲ぶ会は一般的な“お別れの形”で、従来の形の「葬儀」と同様に行われている形態なのです。とはいえ、そのスタイルが少し変わるのもまた確かです。

では一体、お別れ会・偲ぶ会はどのようなスタイルで執り行われているのでしょうか?一般的な「葬儀」ではどのように違うのでしょうか?具体的に見ていきましょう。

お別れ会・偲ぶ会の特徴・定義

実はお別れ会には、はっきりとした定義がありません。それこそがお別れ会の特徴と言えるかもしれません。

決まっていることと言えば、知人や友人が集まって故人(生前のお別れ会の場合は本人)と“お別れ”をする場、というくらいです。

一般的な葬儀のように“ご逝去から数日のうちに”といった時期的な決まりもないため、じっくり時間をかけて準備することが可能です。そのため、「その人らしい」お別れの形を作り上げることができ、本当の意味で故人の望むお別れを実現できるのが、最も大きな特徴といえるでしょう。

お別れ会が一般的になった背景

かつては、芸能人や政治家など有名な方のご逝去に際して、ファンや関係者のために、家族の葬儀とは別に開催されるのが一般的なお別れ会でした。

しかし昨今では、そもそも葬儀を親族だけで執り行う「家族葬」とする方が増えたことも影響して、お別れ会を開催するケースが増えています。

一般的な葬儀との違い

お別れ会・偲ぶ会と一般的な葬儀とでは、主に以下のような点で違いが出てきます。

お別れ会・偲ぶ会一般的な葬儀
時期自由逝去後数日のうち
場所自由葬儀場・火葬場
宗教的儀礼なしあり

時期の違い

一般的な葬儀は故人が火葬される前に行われます。そのため、遺体の腐敗を防ぐためにも逝去後数日のうちに執り行われるのが一般的です。

一方でお別れ会・偲ぶ会は、故人の遺体は必ずしも必要というわけではないため、その日程・時期に制約が生じません。

特別な決まりもありませんが、「四十九日の前後」「一周忌」「三回忌」、また逝去から5年後、10年後などの節目に行われることが多いです。

開催する時期を主催者側が決められるということは、そのための準備に時間や手間をかけられるということでもあります。故人の希望通りに、また主催者の理想とする形でお別れ会を開催できるのです。

場所の違い

葬儀は、葬儀場で行われるのが一般的です。あるいは簡易的な火葬式では、火葬場のひと区画で行われることもありますが、主な開催場所はこれらに限られるでしょう。

対してお別れ会の開催場所は、自由。故人の希望やイメージに合わせた場所選びが可能で、ホテルやレストランなどでも開催できます。

ホテルやレストランには結婚式のイメージが強いですが、お別れ会を開催できるホテルも少なくありません。食事や演出も充実させられるので、参列者のおもてなしには最適です。

ただし、お別れ会の開催に慣れたホテルやレストランは多くなく、会場選びは慎重におこないたいもの。会場の下調べなどは、専門家や専門サービスに依頼するのがベターでしょう。

宗教的儀礼の違い

葬儀は、故人が信仰していた宗教・宗派の教義に則った形式で執り行うのが一般的です。

対してお別れ会は、そうした宗教的儀礼とは無関係(ホテルやレストランで行えることからもわかりますよね)。好きな場所で、好きなように行って良い。それがお別れ会なのです。

お別れ会のスタイル

お別れ会は自由…といっても、これからお別れ会の開催を検討されている方にとっては、ある程度はスタイルがイメージできた方が良いですよね?

以下、お別れ会の代表的なスタイルについてご説明しますので、お別れ会開催時の参考にしてください。

セレモニー形式

一般的な葬儀・告別式に近い形で行われるのがセレモニー形式です。

生花祭壇などを会場の正面にして、故人の経歴紹介や発起人の挨拶、参列者の弔辞などを行った後に、参列者一人ひとりが献花を行っていくスタイルです。

会食パーティー形式

お別れ会は、会費制のパーティー形式で行われることも多いです。

会費制にすることで主催者の負担を減らして開催できるメリットがあります。また、会場や料理を立食のビュッフェ形式にすることで、当日になって想像以上の人が参加したり、キャンセルが多かった場合でも柔軟に対応できるというメリットもあります。

お別れ会に招待する人数

お別れ会に招待する人数にも当然、決まりはありません。例えば小規模なものであれば30名前後、大規模な社葬のようなお別れ会は100名以上(中には1,000名以上事例も!)をご招待することも、決して珍しくはありません。

お別れ会の費用相場

お別れ会の費用相場は、一般的に「人数×1万5,000円」と言われています。この金額は、会場使用料に食事・ドリンク代などを加えたものとお考えください。

ただし、これはあくまでベースとなる金額。趣向を凝らした装飾や演出をしたり、また返礼品のランクを上げたりすれば、そのぶんだけ費用も高くなります。

費用負担は誰がする?

お別れ会の費用は、その大半を主催者が負担するのが一般的のようです。しかし、例えば会費制として参列者から費用をいただいたり、また香典を持参していただくなどして費用に充てるといった方法もあります。