監督は最後までシャイな方だったから、仕事をお願いしようと電話したけれど「今はダメなんだ。」それが最後のやりとりです。だから、僕を含め業界の人は葬儀についても、監督のお墓の場所も、ほとんど知らない。
それでも多くの人の「井内監督のお別れ会をやりたい」という念願を叶えたかった。
みんな、気持ちの落ち着け場所を探していましたから、お別れ会をしたかったんです。
会場に入ると、代表作「魔神英雄伝ワタル」のシンボル、創界山をイメージした大迫力の祭壇が迎えてくれました。
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井内監督は創界山の麓に座り、この会に参加してくれています。
献花は薄いオレンジのスイートピー。故人への想いをはせながら、ひとりひとり丁寧に献花がすすみます。
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会場内を見わたすと、監督が愛したアニメキャラクターたちをスライドショーで見ることができます。
作品づくりにストップウォッチは欠かせません。
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お酒を片手に、虹のかかった祭壇に合わせた色とりどりの食事を楽しみます。
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監督は初対面の方にはシャイで人見知りをするけれど本当はお茶目でおおらかな人です、と皆さん言われます。
監督との思い出スピーチは、仕事とお酒の話。
「魔神英雄伝ワタルは、先輩と僕の最初の仕事でした。スタッフを信用し、才能を生かし、メンバーみんなで作品作りをする人でした。」(近藤信弘氏談)
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会の終わりには祭壇の前で記念撮影。中には「創界山を持ち帰りたい」という声も。
お別れ会は井内ワールドの集大成になりました。
開催にあたり、気持ちだけではだめで、コストについても十分に吟味した上で、現実感の伴う規模の中で最大限アイディアを練って、故人を弔うということが大切であると感じました。
規模にとらわれず、開催することがまず大切で、参会する方々も、十分に理解してくれて、気持ちは伝わるものなのだなと感じました。
こちら側がバタバタしてしまい、むしろまとめていただいた感じがあるので大変助かりました。
今後、このような形での偲ぶ会が増えるかもしれないので、定型にこだわらない、故人ゆかりの偲び方の提案をしていただければ、わたしたちのまわりでは助かるのではないかと思いました。